翌朝、睡眠不足もなんのその 早朝5:00に起床してグランドティトン公園南にあるゲートシティ(ジャクソンシティ)の宿泊施設周辺を散策します。 近代文明の鉄馬車が走行していない早朝のジャクソンシティーは、200年前の古き良き西部開拓時代の雰囲気を残し当時を思わせる情景が広がっています。 夜明け前の風景は、今にも道の向こうからカウボーイかインディアンが馬に跨って現れそうでゾクゾクします。 立ち並ぶ店舗は、それぞれに個性をアピールするかの様に野生動物の像や往年の遺産を飾りつけ被写体に事欠くことはありません。
ここグランドティートン国立公園は、標高4197mのグランドティトンを筆頭にほぼ4000mのティートン連山が連なり アメリカ国立公園の中でも一番美しい公園と言われています。 そしてその麓にはジャクソンレイクや ジェニーレイクなど7つの美しく澄んだ湖が点在しています。 また裾野にはスネークリバーがゆったりと流れ、針葉樹の森林が果てしなく続く雄大な自然の中に多くの野生動物が生息し、訪れる人々を魅了してくれます。
グランドティートンの麓のジェニーレイクでボートに乗って対岸のインスピレーションポイントまでの湖畔ハイキングが、今日のツアーの始まりです。 バスを降りてボート乗り場に着くまでに、さっそく地リス
が茂みの影から飛び出してきます。 ボートに乗船すると数分で舟着き場が見えてきます。 中腹までは、湖畔から針葉樹の木立の間を通り渓谷から流れるカスケード・クリークの側道を歩きます。 清流を見ていると釣り人の性で流れの淀みに魚影を探してしまいます。 きっと綺麗な魚体のトラウト
が岩陰で獲物が流れてくるのを待ち構えていることでしょう。ああ〜釣りたい 橋を渡ると緩やかな傾斜の山道を進みます。
山道の途中には、休憩を兼ねてヒドゥン滝をバックに記念撮影です。足元に注意しないとぬかるみにはまってしまいます。 ここからは、緩やかな登りとなりあちこちからキィキィという泣き声が聞こえます。 岩陰から飛び出すナキウサギ(現地名:ピカ)
を捕らえようとカメラを持つ手に気合が入ります。 一瞬のシャッターチャンスに捕獲したピカやリス達をご紹介します。
満足のいく画像ばかりですが、この1枚を掲載する影に何枚ものボツ画像がSDカードにはいっており整理するのに一苦労です。
ムースジャンクションから1マイル(1.6km)程ジャクソンホールハイウェイを北上した辺りにトランスフィギュレーション礼拝堂があります。 草原の中に佇む丸太造りの建物でチャペルの窓の祭壇の後ろにある木の枝で作られた十字架とグランドティトン の景色が絵になります。 雲が掛かっていなければ最高と言いたいのですが・・・ ちなみにトランスフィギュレーションとは「変貌」という意味だそうです。
時間調整の様に立ち寄った後は、再びジェニーレイクの方に戻ってドーナンズ ムース チャックワゴン〔 Chuck Wagon(炊事馬車)〕と店名がついた オープンなレストランで昼食です。西部開拓時代風の敷地内にはいくつかのレストラン、ギフトショップ、アウトドアショップがあります。 私達は、テント内のテーブルに案内されサンドイッチとフルーツにケーキのセットです。飲み物は、ソフトドリンクのみでアルコールの欲しい人は、 敷地内のショップで購入して勝手に飲める様です。レストランというよりはあまりにも簡単なファストフードショップという感じかな あえて賞賛するならば雄大なグランドティートンの景色を眺めながら開放的な雰囲気でお食事ができる絶景スポットですね。
ドーナンズを出発するとティートン連山でスキーリゾートがあるランデブーマウンテンまでバスで移動します。 宿泊地のジャクソン市街を通り抜けて山麓のスキーリゾートに着くとロープウェイで山頂に向かいます。 標高3200mの山頂(標高差は、1200m)まで10分で駆け上がる100人乗りのロープウェイから ジャクソンホール(ワイオミング州北西部に位置する谷)が一望できます。 全米でも有数の観光地で北米大陸屈指のスキーリゾートだそうです。 山頂では、グランドティートンマウンテンまで続く雄大な景色を堪能できますが、野生動物との遭遇はできませんでした。
唯一往路で見かけた白頭鷲の巣で顔を覗かせていたのを見ましたが、帰路にリクエストして巣の前辺りでバスを停車した時には 残念ながら外出中の様子で、暫く停車していましたが白頭鷲の姿を写真に収めることはできませんでした。 その後、ジャクソン郊外のジャンクションの角で見かけた巣に飛び回る親鳥
を走り過ぎる車窓から確認できましたが、 交通事情により停車することもできず、記憶に収めるだけとなり非常に名残惜しい瞬間でした。
ディナーショーの会場に出発するまで2時間程の空き時間があったので観光客で賑わう市街へとショッピングに出かけました。 ジャクソン広場の4つゲートを構成する沢山のエルクの角のオブジェや店舗周辺の野生動物の銅像がワイオミングならでは雰囲気を醸し出しています。 散策していると剥製や角のオブジェを加工して室内の調度品として販売しているお店がありました。 バッファローの剥製の壁掛けが$30000、エルクの頭蓋骨でも$2200もします。(拾ってきただけなのに・・・) 当然ながら一番経費が掛からない画像に収めるという手段しか方法はありません。一般庶民の手が出る次元のお店ではありません。
午後6:00にバスに揺られて街外れの牧場バーT 5に到達します。カウボーイスタイルのスタッフが各所で身支度をしています。 開始予定時間になるまで施設内を見学していると帆馬車の並ぶ広場からの牧場主と思われる体格のいい男性が声をかけてきました。 この後、この出会いが悲劇を招くとは思いもよらず質問されるまま受け答えに四苦八苦していました。 帆馬車に案内される前にグループに区分けされ自分達が乗車する帆馬車に分乗していきます。 私達の帆馬車には、女性のカウガールが手綱を引きます。乗車している観光客に名前と趣味を順番に聞いてきます。 質問する態度は決して興味本位で聞いている様子も無く指示されたマニュアル通りの対応と伺えます。 帆馬車は、キャッシュ・クリーク峡谷の横に続く林道をのんびりと移動しています。 西部劇風のもてなしでしようか脇道からインディアンの襲撃が始まり観光客に脅しをかけてきます。 でも観光客は誰ひとり慌てていません。動揺する演技をしているのはスタッフ達だけです。
30分程すると帆馬車は会場近くの広場に順次停車し皆が降車してきます。 小高い丘の上からインディアンが観光客を監視していました。小憎らしい演出です。 指定されたテーブルに案内されると食事が始まりグリルで調理された料理が順次プレートを持った客に配給されます。 写真を撮り忘れましたが、バイキング方式だったらチョイスしないメニューばかりが盛り付けられていました。 なかなか完食できない中でおかわりしたのは、レモネードだけだったかな
ウララ〜
ショーが始まりましたが、早口で理解のできないインディアンとカウボーイのやりとりに青い目の観光客の席では大爆笑の連続です。 それとは尻目に日本人の座るテーブルは他のテーブルとは温度差がある様です。 ショーの内容は、インディアンが開拓者の街に現れ嫁探しを手伝うカウボーイに馬鹿にされるというストーリーで 観光客の中から引っ張りだした素人さんを相手に臨機応変に対応し最後は怒って帰ってしまうというドラマみたいです。 寸劇ショーが終わるとウエスタンミュージックの演奏会に移ります。軽快な音楽に観光客がハイテンションで浮かれています。 痺れを切らした子供が周囲で遊びまわる状況になるとチビッ子達を集めてバラエティーショーが始まり・・・かなと思っていると、 次に呼ばれたのは青い目の白人男性?が引っ張り出されました。 早く終わらないかと思っていると司会者の指先がこちらを指しています。
えっ!俺? 心の中では、”勘弁してよ”と叫びながら拍手で送り出す日本人メンバーの方々に愛想笑いで返します。 正直な話、流暢に話す司会者が何を言っているのかさっぱり解らないままステージに立たされます。 担当した役割は、2番目にマイクを向けられたら”ウララ〜”と言うだけですが、インディアンが女性に求愛するポーズだった様で リアクションとしては、顔に向かって右手をこちらにかざし手に向かって求愛の眼差しでウララ〜と叫ばなければいけなかったようです。 何も知らないジャパニーズは、日本アニメのキン肉マンの仲間”ジェロニモ”という見習い超人が”アパッチの雄たけび”で敵を倒す! そんなイメージで挑んだ”晒し者歌謡ショー”が始まります。 主催者とは全く違う思惑のまま演奏は進みマイクが向けられ”ウララ〜”と第一声・・・ なんか、ただやらされているだけなのも癪に障るので3回の発声の音色を変えてささやかな抵抗を試みました。 ちなみに隣にいる一声目の担当は、豚の求愛で鼻を鳴らして笑わせる担当の様です。(まだウララの方が良かったかな) ショーが終わりお別れの挨拶で司会の牧場主が皆の前で”ジャパニーズに拍手を”と賛辞を戴き皆から拍手
をいただきました。 どうやらアレンジして挑んだ変声ウララが良かったと褒めて貰えた様です。こっ恥ずかしい体験をありがとうございました。 最後に帆馬車に乗り込む前に牧場主との記念撮影で今回のウェスタンディナーショーの終了です。
今朝は、荷物をまとめる必要があったので街への散策はしませんでした。 朝食は、ライ麦食パンにワッフルとスクランブルエッグにハンバーグと簡単に済ませます。 と言っても他に何がある訳でもなく前日と同じメニューで変わり映えも無くバナナを1本食べて2本をおやつ用に持ち帰りました。 バスが出発するとグランドティートンに向けて北上します。 今日最初のアンテロープフラットロードは、昔の西部劇映画”シェーン”の撮影場所となった小屋のある草原地帯です。 バスが到着すると車窓から地リス
が目に入りました。 皆が施設を撮影に向かう中、一人だけ地リス
の撮影に没頭していましたが、皆に追いつこうと小走りに追いかけると 向かう草原のあちこちに巣穴があり地リス
が穴から穴へと走り回っています。 異様に伸びきった胴体は、だらけた生活で養われた結果なのかと思われるほどのスタイルです。 所々で穴から出ては日向ぼっこしていて気がつくと足元をすり抜けていきます。
国立公園内の道路は、至る所に自動速度検出機が配置されていますが、今日はスピードが表示されていません。 昨日は、ハイウェイパトロールに停車させられている車を何台か見かけたのですが、まだ始まっていないのかもしれません。 スピード出しすぎている時だけ進行先で待ち構えるポリスが微笑むシステムになっているのかもしれません。 次に到着したスネイクリバーオーバールックも
シマリス達
が高速で走り回る スネークリバーを見下ろす道路脇の小高い丘です。 グランドティートンの山並みとスネークリバーとのマッチングがいい感じに撮影できました。 この景色の前では、写真でなくのんびりと眺めて英気を養う心構えが必要です。 シマリス
と追いかけっこに夢中になっている場合ではありません。
グランドティートン国立公園にはゲートが3箇所あり、イエローストーン国立公園かグランド・ティートン国立公園 のどちらかに入るときに払う25ドルの入場料で両方の公園に一週間制限なしで入れます。( by 個人の場合) この東から進入するモランジャンクションエントランスでは団体入場券の確認だけで通過していきます。
オクスボーベンドではジャクソンレイクに写る逆さモランに感動していると・・・ と、ここで対岸の茂みにムースがとか水際に巣作りをするビーバーとか言いたかったのですが、視界の届く範囲には 日本国内でも頻繁に見かける鴨の親子
が移動していくだけの夏休みの絵日記のような情景が目前に展開されています。 わぁ〜感動のひとコマですね〜 皆がバスに乗り込み次に向かったポイントは、ジャクソンレイクに写る逆さモランpart2です。 国立公園内なんだから、そろそろ何か野生動物が出てきてもいいんじゃないかと思っているのですが・・・ 看板だけじゃなくて感動を見せて欲しいところです。 この旅行の為にいっぱいお金注ぎ込んでるんですから
このジャクソンレイクロッジは、イエローストーン国立公園で2番目に人気のホテルということです。 2階のロビーから一望できる大きなガラス窓越しにティートンマウンテンが満喫できます。 しかし、地殻運動が活発なこの地域にありながら屋外に通じる入り口がこのガラス窓のすぐ横にあるのは安全上どうかと思います。 屋外庭園は、ロッジの横に広大に広がっています。庭園の頂上見晴台まで散策しましたが、雄大な景色はどこから撮影しても絵になります。 時間に追われる観光旅行ではイエローストーンを堪能したことにはならない事が実感できます。
3つあるレストランからは、当人が背中を向けてさえいなければ、ティートンマウンテンを見ながらの食事ができます。 昼食のメニューは、ハンバーガーということで皿の上に肉厚のチーズハンバーグを広げたスタイルなのですが、少々ボリュームがありすぎます。 チーズの載った牛肉の柔らかさに最初こそ気合が入りますが、お腹はすぐに満腹となり全てを食べきることはできませんでした。